高校の課程には、全日制・定時制・通信制の3つがあります。どの課程を卒業しても「高校卒業資格」に違いはありませんが、学校の仕組みや生活リズムは大きく異なります。 「毎日通いたいけれど、全日制は少しハードルが高い」「働きながら学びたい」という方に選ばれている定時制高校について、最新情報を解説します。
定時制高校とは?

定時制高校は1948年に発足した課程ですが、現在は単なる「夜間の学校」から、自分のライフスタイルに合わせた学びの場へと進化しています。
- 授業時間: 1日4時間程度。
- 学校数: 全国の約9割が公立。
- 特徴: 毎日登校するリズムを保ちつつ、自分の自由な時間を確保しやすい。
通う時間帯:昼間に通える「三部制」が主流に
現在は夜間だけでなく、朝や昼の時間帯を選べる学校が増えています。
| 区分 | 主な時間帯 | 特徴 |
|---|---|---|
| 夜間定時制 | 17:30〜21:00頃 | 夕方から登校。日中に仕事をする人に最適。 |
| 昼間二部制 | 【1部】午前 / 【2部】午後 | 全日制に近いリズム。不登校経験者にも人気。 |
| 三部制 | 午前・午後・夜間から選択 | 自分の都合に合わせて時間帯を選べる柔軟なスタイル。 |
卒業までにかかる年数は3年?4年?
定時制高校の卒業条件は、「3年以上の在籍」と「必要な単位の修得」です。
- 原則は4年: 1日の授業が4時間の場合、3年間では卒業に必要な単位(74単位以上)に届かないため、4年かけて卒業するのが一般的です。
- 3年で卒業する方法: 最近増えている「単位制」の定時制では、別の時間帯(部)の授業を受けたり、通信制課程を併用したりすることで、全日制と同じく3年での卒業が可能です。
卒業までの期間 = 必要単位数 (74単位)/1年間の修得可能単位数
※ 1日の授業数によってこの計算が変わるため、事前の確認が重要です。
【豆知識】定時制高校には給食がある
意外と知られていない定時制の大きなメリットが「給食」です。
- 実施状況: 夜間部を中心に、全国の約半数の定時制高校で実施されています。
- メリット: 1食300〜500円程度と安価で、温かく栄養バランスの取れた食事が摂れます。働きながら通う人や、一人暮らしの学生にとって非常に心強い味方です。
- コミュニケーションの場: 通信制高校には「給食」という文化がほぼないため、クラスメートと毎日一緒に食事を囲む時間は、定時制ならではの対人交流の機会となります。
定時制にはどんな人が通っているの?
定時制高校は、今や「働きながら通う場所」だけではありません。現在は、さらに多様な背景を持つ生徒が集まる「セーフティネット」としての役割が強まっています。
- 10代の割合が約8割: 中学卒業後すぐに入学する人が大半ですが、全日制からの転校生も増えています。
- 多様なバックグラウンド: 不登校を経験した人、一度社会に出た後に「高卒資格」を目指す20代〜60代、また日本語を学びながら高校卒業を目指す外国籍の人も増えています。
- 「定時制ならでは」の連帯感: 似た境遇の仲間が多いため、全日制では馴染めなかった人が「ここなら自分の居場所がある」と感じるケースも多いのが特徴です。
参考(PDF):文部科学省「定時制課程・通信制課程高等学校の現状」
気になる学費比較
定時制と通信制、それぞれの学費目安をまとめました。
定時制高校の学費(公立が中心)
公立の定時制は、非常に安価に抑えられています。
- 入学金: 2,100円程度
- 授業料(年間): 32,400円程度
- その他諸費: 書代・行事費など ※「高等学校等就学支援金」により、多くの世帯で授業料は実質無償となります。
【比較】通信制高校・サポート校の学費

通信制を検討する場合、以下の金額が目安となります。
| 区分 | 入学金・学費(年間) | 諸費用・合計 |
|---|---|---|
| 通信制(公立) | 1〜5万円前後 | 全て込みの概算 |
| 通信制(私立) | 20〜35万円前後 | +諸経費 10〜30万円 |
| サポート校 | 5万円〜20万円(入学金) | +授業料等 35〜80万円 (初年度合計 50〜100万円) |
2024年度より、東京都を筆頭に多くの自治体で「私立高校授業料の実質無償化」が拡充されています。世帯年収によっては、私立通信制の負担も大幅に軽減されるため、最新の助成金情報をチェックしましょう。
定時制卒業後の進路 就職・大学進学は?

最新の統計によると、定時制卒業生の進路は多様化しています。
- 就職: 約4割(依然として高いが、職種は多様化)
- 専門学校: 約2割
- 大学・短大進学: 約2割(指定校推薦などを活用する生徒も増加)
- その他: 約1.7割
参考(PDF):文部科学省「令和4年度間 高等学校(課程別)の卒業後の状況(P.35)」
【豆知識】履歴書にはどう書く?
履歴書には「〇〇高等学校 課程名 卒業」と記載するのが一般的です。定時制であることを隠す必要はありませんが、気になる場合は「〇〇高等学校(単位制)卒業」などの記載に留めるケースもあります。ただし、企業によっては詳細な課程の確認を求められることもあるため、誠実な記載が推奨されます。
定時制高校に入学するには? 試験は難しい?
「勉強が苦手だから……」と諦める必要はありません。定時制の入試は、学力よりも「これから頑張りたいという意欲」を見てくれます。
- 基本は「国・数・英」+面接・作文: 全日制のような難問は少なく、中学の基礎が中心です。
- 「チャレンジ校」の拡大: 東京都などで導入されている「チャレンジ校」は、学力試験や調査書(内申点)が必要ありません。作文と面接のみで選考されるため、過去の成績を気にせずリスタートできます。
- 定員割れも多い: 少子化の影響もあり、多くの公立定時制では定員に余裕があります。しっかり準備をすれば、合格のチャンスは非常に高いです。

入学後は、中学校の復習授業から行われる学校が多いようです。しかし、その後は徐々に高校で習う範囲の授業に変わっていくため、学力向上の努力は必要となってきます。
まとめ:定時制が向いている人・通信制が向いている人

定時制がおすすめ:
- 毎日決まった時間に登校する習慣をつけたい
- 学費を最小限に抑えたい(公立希望)
- 学校行事や部活動、給食などの「学校らしさ」を楽しみたい
通信制がおすすめ:
- 自分のペースで、週1回〜や月数回の登校で卒業したい
- 趣味やスポーツ、専門スキルの学習に時間を使いたい
- 対人関係に不安があり、少人数やオンライン中心で学びたい
定時制高校は、規則正しいリズムを作りながら、安価に、そして仲間と共に成長できる場所です。一方、より自由度とサポートを求めるなら通信制高校やサポート校という選択肢もあります。
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通信制高校やサポート校は数が多く、どう選べばよいのかが難しいですが、自分と向き合う中で少しずつ「どうしたいか」を明確にして、自分にとって最適な通信制 高校・サポート校と出会っていただければ幸いです。
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部
「一人ひとりに最適な学校探し」をテーマに、さまざまな進路選択を考える生徒さん、親御さんに向けて、よりたくさんの選択肢を提供できるよう、通信制高校、サポート校に関連する情報を発信しています。






