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2つの統計から見る不登校の現状ときっかけ・原因【2022年3月更新】

2つの統計から見る不登校の現状ときっかけ・原因

不登校の現状や原因、きっかけについて調査したデータはさまざまありますが、ここでは2つの統計データから不登校のきっかけや原因について考えたいと思います。

この記事の目次

  1. 文科省統計データ(2020年度)
    1. 不登校の生徒数
    2. 学年別で見る不登校の生徒数
    3. 不登校になった原因・きっかけ
  2. 日本財団統計データ(2018年度)
    1. 1年間に合計30日以上、学校を休んだことがある/休んでいる人
    2. 中学校に行きたくない理由

文科省統計データ(2020年度)

文部科学省が算出している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」を見ていきましょう。※参考リンク

不登校の生徒数

不登校生徒数(平成20年度)
学校 生徒数 不登校生徒数
割合
前年度比
小学校 6,300,693人 63,350人 118.74%
1.01%
中学校 3,211,219人 137,777人 103.80%
4.13%
高校 3,092,064人 43,051人 85.93%
1.39%

前年度比を見ると、少中高全ての課程で不登校生が増加しています。また、不登校生の割合は中学校が4.13%と最多となっています。

不登校生の割合は高校で減少しますが、これは中学校で不登校となった生徒が進学しないケースや、通信制高校などの中学時代にはなかった形式の学校へ進学することで、徐々に登校できるようになる生徒が多いためと考えられます。

なお、小学生での不登校数の増加率が最も高く、前年度118%と急増している点は気になるところです。

学年別で見る不登校の生徒数

学年別不登校生徒数(平成20年度)
学校 1年 2年 3年 4年 5年 6年 合計
(単位制)
小学校 3,395 5,335 8,028 11,108 15,603 19,881 63,350人
中学校 35,998 48,723 48,056 - - - 132,777人
高校 11,722 10,058 6,846 250 14,175 - 43,051人

グラフで見る学年別不登校生徒数(平成30年度)

不登校の生徒数は小学校から中学校までは学年が進むにつれて増加し、中学2年生が最多となっています。一方高校では不登校になった生徒は中途退学や留年するケースが増えるせいか、学年が進むにつれて減少するという傾向にあります。
また、2018年度と比較すると小学生、中学生ともに増加。
しかし、高校生は単位制を含めて減少しています。

不登校になった原因・きっかけ

不登校になったきっかけ(2020年度)
区分 小学校 中学校 高校
人数 割合 人数 割合 人数 割合
学校に係る状況
いじめ 171 0.3% 228 0.2% 228 0.2%
いじめを除く友人関係をめぐる問題 4,259 6.7% 16,571 12.5% 16,571 12.5%
教師との関係をめぐる問題 1,187 1.9% 1,226 0.9% 1,226 0.9%
学業不振 2,049 3.2% 8,626 6.5% 8,626 6.5%
進路に係る不安 153 0.2% 1,428 1.1% 1,428 1.1%
クラブ活動、部活動への不適応 11 0.0% 772 0.6% 772 0.6%
学校のきまり等をめぐる問題 453 0.7% 1,061 0.8% 1,061 0.8%
入学、転編入学、進級時の不適応 1,121 1.8% 5,412 4.1% 5,412 4.1%
家庭に係る状況
家庭の生活環境の急激な変化 2,408 3.8% 3,259 2.5% 3,259 2.5%
親子の関わり方 9,227 14.6% 8,168 6.2% 8,168 6.2%
家庭内の不和 1,027 1.6% 2,456 1.8% 2,456 1.8%
本人に係る状況
生活リズムの乱れ、あそび、非行 8,863 14.0% 14,576 11.0% 14,576 11.0%
無気力,不安 29,331 46.3% 62,555 47.1% 62,555 47.1%
左記に該当なし 3,090 4.9% 6,439 4.8% 6,439 4.8%

※複数回答含
※パーセンテージは各区分における不登校児童生徒数に対する割合

不登校になるきっかけは小学生、中学生、高校生とさまざまではあるものの、年齢が低くなるほど、家庭生活に起因する不登校の割合が大きくなっています。

■関連インタビュー記事

日本財団統計データ(2018年度)

日本財団が行った調査、「不登校傾向にある子どもの実態調査」では、文部科学省の結果とは違った結果ができました。調査対象:中学生年齢の12歳~15歳※参考リンク

1年間に合計30日以上、学校を休んだことがある/休んでいる人

調査項目 調査結果(%) 人口推計
1年間に合計30日以上、
学校を休んだことがある/休んでいる人
3.1% 99,850人

日本財団における不登校の定義を満たす中学生の数は99,850人で、文科省の統計データ(119,687人)と若干の差はあるものの大きな違いはありませんでした。

中学校に行きたくない理由

1年間に合計30日以上、学校を休んだことがある/休んでいる生徒の「行きたくない理由」 を見てみましょう。(26項目から選択・複数回答可)

調査項目 調査結果(%)
朝、起きられない 59.5%
疲れる 58.2%
学校に行こうとすると、体調が悪くなる 52.9%
授業がよくわからない・ついていけない 49.9%
学校は居心地が悪い 46.1%
友達とうまくいかない 46.1%
自分でもよくわからない 44.0%
学校に行く意味がわからない 42.9%
先生とうまくいかない/頼れない 38.0%
小学校の時と比べて、良い成績が取れない 33.9%

体調や学力に関する理由が目立ちます。気になる点として、「先生とうまくいかない」という項目を約4割の生徒が選択しており、文科省の統計データとは大きな差異が発生しています。
また、文科省のデータでは家庭環境を不登校の理由のうち最も多いとしていますが、日本財団のデータでは、上位10位中に家庭環境という理由は挙がってきていません。

この差異が生まれる要因として、文科省の統計は「学級担任など当該児童生徒の状況を最も把握することができる教職員」が、「保護者の意見を踏まえ、スクールカウンセラー等の専門家を交えたアセスメント(同意)を行った上で」報告しています。

そのため、本音を話せない、自分でも分からないという不登校者の実情が本当に反映されているとは限りません

中学生の不登校のきっかけに限っては、日本財団の統計データが実際の心情に近いと考えることが自然と言えるでしょう。

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