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高卒認定と高卒資格の違いとは?
高認試験の費用・受け方を解説

高卒認定と高卒資格の違いとは?高認試験の費用・受け方を解説

この記事の目次 

日本では、就職活動などの場面で学歴を求められることがあります。「高校を卒業していないせいで将来的に不利になってしまうかも」と、不安に思う方もいるのではないでしょうか。

こうした悩みを持つ学生やその保護者の方に知ってほしいのが、高卒認定試験です。

ここでは、高卒認定試験とはどのような試験なのか、受験するメリットや受験方法など気になるポイントをわかりやすく解説します。

高卒認定試験とは?

高卒認定試験とは、文部科学省が主催している「高校卒業と同等の学力があること」を証明するための国家試験です。

正式名称は「高等学校卒業程度認定試験」といい、昭和26年から平成16年までは「大学入学資格検定」という名前でした。高認や大検と略して呼ばれることもあります。

国家試験と聞くと、「難しそう」「自分には無理なのでは…」と不安に思うかもしれません。しかし、受験者の合格率は45%前後のため約2人に1人は合格。試験もマークシート式なので、そこまで難易度の高い試験ではありません。

なお、高卒認定と混同されがちなものに、高卒資格があります。一見、同じような意味の言葉にも思えますが、それぞれ違うものを指しているので注意しましょう

高卒認定と高卒資格の違い

「高卒認定」と「高卒資格」の違いは以下の通り。1番大きな違いは最終学歴です。

メリット
高卒認定 ●高校に通わなくても取得可能
●中学生~高校1年生程度の学力レベルで合格できる
●大学(短大)・専門学校の受験資格が得られる
高卒資格 ●最終学歴が高卒になる
●大学(短大)・専門学校の受験資格が得られる
デメリット
高卒認定 ●合格しても最終学歴は高卒にならない(中卒のまま)
高卒資格 ●全日制・通信制・定時制いずれかの高校に在籍する必要がある
●出席日数や取得単位など進級・卒業に条件がある

高卒認定を受けても学歴が変わらないのならば意味がないのでは……と思うかもしれませんが、高卒資格と同様に大学などへ出願できるようになったり、高校によっては高卒認定試験で合格した科目の単位を卒業単位に加算できる場合があったりと、メリットは多いです。

高卒認定のメリット・デメリット

「高卒認定」を受けるためには、「高卒認定試験」に合格する必要があります。

試験の勉強時間を確保する必要はありますが、高校に在学中でも受けられることはメリットです。例えば、単位制の高校に通いながら高卒認定試験に合格すると、卒業に必要な単位に加算してもらえるケースがあります。

反対に、高校の学習指導要領で定められた標準単位数をすでに修得している科目については、高卒認定試験の科目を免除できる場合があります。

また、高校の授業や試験よりも大学受験を見据えた勉強に時間を割きたいといった場合、高卒認定があれば大学などの受験資格を得られるので、効率よく受験勉強に専念できるかもしれません。

しかし、最終学歴は「中卒」となるため、以下のような不利益を被る可能性があることに注意しましょう。

  • 就職先での昇進スピードが遅くなる可能性がある
  • 就職活動で不利になる可能性がある
  • アルバイト募集や就活エントリーの応募条件に「高卒以上」と書かれている場合、応募を拒否される可能性がある

文部科学省の調査によると、高卒認定資格の一般企業における認知度は約60%、自治体では約75%となっています。ところが、採用試験で高卒認定試験の合格者を「高卒」と同じように扱う、としている企業は約26%と低いのです。

とはいえ、高卒認定を得て大学に進学・卒業できれば「大卒資格」が手に入るので、選択肢の幅は広がります。

参考)文部科学省:高等学校卒業程度認定試験合格者の企業等における扱いに関する調査の結果について

高卒資格

「高卒資格」を得るためには、全日制・通信制・定時制いずれかの高校に在籍して卒業要件を満たす必要があります。主な卒業要件は、出席日数と単位において、定められた規定の日数・単位数を満たすことです。

また、高卒資格を持っている場合は履歴書に「高卒」の学歴を記載できるので、アルバイト応募や就職活動で中卒ほどの制限を受けることはないでしょう。

高卒認定試験に受かると履歴書に書ける

高卒認定試験に受かると履歴書に書ける

最終学歴は中卒になってしまうものの、高卒認定試験に合格すると履歴書の「取得資格」の欄に、「高等学校卒業程度認定試験 合格」と記入が可能です

募集要件に「高卒資格」とある場合は確認が必要ですが、特に記載がない場合は「高卒と同等の学力」を持っていることをアピールできます。

なお、面接の際など、高卒認定試験を受けた理由を質問されるかもしれませんが、人とは違った自分の経験をアピールして印象付けられるよう、しっかり応えられるようにしておくとよいでしょう。

高卒認定試験は何歳から受けられる?受験資格と条件

高卒認定試験の受験資格・条件は、以下の2点です。

  • 大学入学資格を持っていない
  • 試験の年度終わりまでに満16歳以上である

大学入学資格とは、簡単に言えば高校・中等教育学校を卒業した人が得られる資格のことです。中等教育学校は、中高一貫校のような形態の学校を指します。

つまり、すでに高卒認定資格と同等の資格がある人は、受けられません。また、年齢も高校に入学できる年齢となっている必要があります。

試験の難易度はどのくらい?

高卒認定試験で求められるのは中学生~高校1年生程度の学力レベルです。そのため、努力すれば独学でも合格を目指すことはできるでしょう。

また、100点中40~50点前後を取ることができれば合格すると言われているので、高得点を狙う必要はありません。

自分ひとりでの学習に不安のある人は、「高認予備校」などを頼るのもひとつの手です。高認予備校は、マンツーマン指導や集団授業などさまざまな授業形態があるため、自分にあった高認予備校を選ぶことで合格に近づくことができます。

試験科目と合格ライン

高卒認定試験の試験科目は以下の通りです。

教科 試験科目 科目数 要件
国語 国語 1 必須
地理歴史 世界史A、B 1 2科目のいずれか1科目必修
日本史A、B 1 4科目のいずれか1科目必修
日本史A、B
公民 現代社会 1または2 「現代社会」1科目、または「倫理」および「政治・経済」の2科目。上記いずれか必修
倫理
政治・経済
数学 数学 1 必須
理科 科学と人間生活 2または3 以下の①、②いずれかが必修
①「科学と人間生活」の1科目と「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」のうち1科目(合計2科目)
②「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」のうち3科目(合計3科目)
物理基礎
化学基礎
生物基礎
地学基礎
外国語 英語 1 必須

参考)文部科学省「高等学校卒業程度認定試験 試験科目・合格要件・出題範囲」

上記の中から、最小8科目〜最大10科目を選んで受験することになります。また、英語、国語、数学、世界史は必修科目のため、必ず受験しなければならないので注意しましょう。

そして気になる合格率は以下のようになっています。

令和
3年度
出願者 受験者 高卒認定
試験合格者
合格率
第1回 10,225 8,854 3,894 約43%
第2回 9,990 8,850 4,203 約47%
20,215 17,704 8,097 約46%

参照元:文部科学省「令和3年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果について」

合格率が40%程度なのがわかりますね。もし一度落ちてしまったとしても、何度でも受験可能なので諦める必要はありません。一度合格した科目は次回以降で免除可能なため、2回目以降は勉強する科目を絞ることができます。

なお、高卒認定試験では高校で取得できた単位を活用(免除申請)できますが、高卒認定試験に必要な単位をすべて取得していたとしても、全ての科目を免除申請してしまうと、高卒認定試験には合格できません。

最低1科目以上は受験をしなければ合格できない点に注意が必要です。

受験費用はいくらかかる?

高卒認定試験の受験費用は、受験する科目数によって変わります。

受験科目数 受験料
3科目以下 4,500円
4~6科目 6,500円
7~9科目 8,500円

自分が受験を考えている科目数と照らし合わせて、お金を準備するようにしましょう。

申し込みから結果が届くまでの流れ

試験の申し込みから結果が届くまでの流れですが、大きな流れは、以下の4ステップです。

  1. 出願手続きを行う
  2. 受験票を確認する
  3. 受験当日試験を受ける
  4. 結果の通知が届く

1,出願手続きを行う

まずは出願手続きを行います。2023年夏からはオンラインで手続きが完結するようになるので、時間の取れない方でもスムーズに行えるでしょう。

願書・必要書類を入手する

高卒認定試験を受験するには、願書と必要書類を準備します。願書の請求方法は以下の3通り。

願書の請求方法

  • スマホ・パソコンから資料請求をする
  • 電話で資料請求をする
  • 直接国が指定している配布場所に受け取りに行く

おすすめは、手間の少ない「スマホ・パソコン」から請求する方法です。受験を考えている人は、テレメール資料請求受付サイトから取り寄せておきましょう。

続いて、出願のために必要な書類についてです。必要書類は、願書を含め4種類あります。

必要書類

  • 願書
  • 住民票・戸籍抄本(初回受験時のみ)
  • 単位修得証明書・単位修得見込証明書様式※1
  • 証明書交付願・各種申請用紙※2

※1:科目の一部免除を申請する場合に必要
※2:合格後、証明書の発行をしたい場合に必要

受験に必ず必要なのは「願書」のみですが、受験科目の一部免除や合格証明書の発行を希望する場合は、追加で書類を提出する必要があるため注意しましょう。

わからないことがあれば、下記の問い合わせ先が有効です。

▼テレメールカスタマーセンター
電話 050-8601-0102
受付 9:30~18:00

願書を記入・提出する

願書が手元に届いたら記入を進めていきます。願書の書き方は以下の通りです。

願書の書き方

  1. 名前・住所の記入
  2. 受験科目を選ぶ
  3. 免除申請(すでに合格している科目を記載する)
  4. 今までの学歴を記入
  5. 最終学歴を記入
  6. 収入印紙・顔写真を貼る

受験地や住民票に記載されている都道府県名(本籍地)については、願書と同封されている「受験案内」でコード番号を確認しながら記入しましょう。

記入にミスがあると受理されない可能性があるので、自分で書く場合も親御さんが書く場合もダブルチェックをしましょう。

願書を書き終えたら「書留郵便」で郵送して終了です。郵送トラブルで届かないなどの事態を避けるため、必ず「書留」で送りましょう。

2,受験票を確認する

受験票が無事に手元へ届いたら、試験会場はどこなのか、受験科目は間違っていないか、などを必ず確認しましょう。当日の遅刻を避けるため、会場への交通手段や混み合う時間帯などは、あらかじめ調べておくことをおすすめします。

3,受験当日

受験当日は、脳が起きてから活動モードに入ると言われている、試験開始の3~4時間前には起きているとよいです。忘れ物がないか確認し、会場には集合時刻の1時間前くらいを目安に向かうようにしましょう。

必要な持ち物

試験当日の主な持ち物は以下の通りです。当日の朝に慌てないよう、前日の夜までに持ち物の確認は済ませておきましょう。

必須の持ち物

  • 受験票と一緒に送られてきた会場図など一式
  • HB(F、Hも可)の黒鉛筆数本またはマークシート用の鉛筆
  • 鉛筆削り
  • 消しゴム
  • 時計
  • 運転免許証または健康保険証
  • スマホ・携帯電話
  • 財布
  • 飲み物

必要に応じて持っていくもの

  • 上履き
  • 常備薬
  • お昼ご飯(消化がよいもの少量が望ましい)
  • 交通系ICカード

服装はなにを着る?

当日の服装は自由です。ですから、自分が1番落ち着いて試験に臨める服装を選ぶようにします。

季節によっては、会場の冷暖房が効きすぎている場合があります。カーディガンなどの羽織もので、温度調節できるようにしておくとよいでしょう。

試験結果通知が届く

試験結果は、約1ヶ月後に郵送で届きます。全科目合格者の場合は「合格証書」、一部科目合格者には「科目合格通知書」が送られてきます。

試験合格後の進路はどうする?

高卒認定試験に合格した後の進路として考えられるのは、以下の3パターンです。どの進路が自分にとって理想的なのか考えてみましょう。

  1. 大学へ進学する
  2. 専門学校へ進学する
  3. 就職する

1,大学へ進学する

高卒認定試験に合格すると、大学入学資格を得ることができます。自分が学びたい分野や行きたい大学がある場合は、さらに大学受験に向けた勉強をして、進学することも可能です。

例えば、医学部などの難関とされる学部や海外の大学を目指すことはできるのか、疑問に思う人もいるかもしれません。個人の努力次第となりますが、それぞれの合格に必要な受験勉強を行えば、医学部やアメリカ・アジア圏の大学にも進学することができます。海外の大学に関しては、学校ごとに規定があるので、事前に確認しましょう。

大学に合格して卒業できれば最終学歴は大卒となりますし、将来の選択肢を増やすことに繋がります。

2,専門学校へ進学する

高卒認定試験に合格すれば、専門学校への入学資格も得られます。看護や美容師、服飾デザイナーなど、明確になりたい職業がある場合は、専門学校へ進学する道もおすすめです。

専門学校を卒業すればその道へ就職するにあたって一歩近づけますし、高卒認定試験は夢を叶えるためのひとつの手段とも言えます。

3,就職する

高卒認定試験に合格すれば履歴書に記載ができるため、就職活動において有利になる場面も出てきます。

また、幼稚園教員や小学校教員、保育士、国家公務員などは、「高等学校卒業と同等」とであれば採用試験を受けることも可能です。試験合格後に働こうと考えている人は、文部科学省の高等学校卒業程度認定試験の合格を高等学校卒業と同等とみなしている採用試験、国家資格一覧(PDF) をチェックしてみましょう。

高卒認定は最短で高卒扱いの資格を得たい人におすすめ

高卒認定は最短で高卒扱いの資格を得たい人におすすめ

高卒認定試験を検討する理由は人それぞれですが、時間をかけずに高卒と同等の資格を得たい人には特におすすめの制度です。しかし、高卒認定を取っただけでは、最終学歴は中卒になってしまうので注意してくださいね。

もし、事情があって高校に通うことができなくなってしまったという場合、時間やお金をかけられるのであれば通信制高校という選択肢もあります。

どんな選択肢を選ぶ場合でも、今後の自分の人生をより豊かなものにできるよう、よく考えて選択してくださいね。