
通信制高校では、レポート提出・スクーリング・テストを繰り返しながら単位を取得し、74単位を修めることで高校卒業資格を得ることができます。この3つはどれも欠かせない要件ですが、このページではレポート提出(添削指導)について詳しく解説します。
レポート提出(添削指導)とは
通信制高校は登校日が少なく、学習は基本的に自習で進めます。そのため、学習が正しく進んでいるか・きちんと身についているか(習熟度)を確認する仕組みが必要です。その役割を担うのがレポート提出(添削指導)です。
レポートは単なる課題提出ではなく、単位認定試験の受験資格にもなる重要なステップです。提出したレポートは先生が添削して返却され、理解が不十分な箇所があれば再提出を求められることもあります。このサイクルを通じて、自宅学習の理解度を着実に高めていくことができます。
レポートの内容はどんなもの?
レポートは問題集のような形式で、科目ごとに記入して学校に提出します。提出方法は学校によって異なり、郵送・持参・オンライン提出(パソコン・スマートフォン)の3通りがあります。近年は私立通信制高校を中心にスマートフォンやタブレットからオンライン提出できる学校が増えており、場所を問わず手軽に提出できる環境が整ってきています。
問題の形式は穴埋め式・選択式・記述式が一般的で、いずれも教科書の範囲内から出題されます。内容は高校卒業資格の取得を目的として設計されているため、難易度は教科書レベルを大きく超えることはありません。「思ったより難しくなかった」と感じる生徒が多い一方、参考書やインターネットで調べながら記入するタイプのレポートもあります。どのような形式になるかは学校によって異なるため、入学前に資料や説明会で確認しておくと安心です。
提出したレポートは先生が添削して返却されます。理解が不十分な箇所があれば再提出を求められることもありますが、添削結果をしっかり確認して復習することが、後の単位認定試験対策にも直結します。
レポートの量は?毎日やらないといけないくらい大変?
レポート(添削指導)とスクーリング(面接指導)の回数は、文部科学省の学習指導要領によって科目ごとに定められています。
| 各教科・科目 | 添削指導(回) | 面接指導(単位時間) |
|---|---|---|
| 国語,地理歴史,公民及び数学に属する | 3 | 1 |
| 理科に属する科目 | 3 | 4 |
| 保健体育に属する科目のうち「体育」 | 1 | 5 |
| 保健体育に属する科目のうち「保健」 | 3 | 1 |
| 芸術及び外国語に属する科目 | 3 | 4 |
| 家庭及び情報に属する科目並びに専門教科・科目 | 各教科・科目の必要に応じて2~3 | 各教科・科目の必要に応じて2~8 |
※学習指導要領に基づく標準値(2026年3月現在)
参考文献・引用元:文部科学省:高等学校学習指導要領
通信制高校を卒業するためには74単位の取得が必要ですが、1年間に取得できる単位数には学校ごとに上限があります。一般的には年間30単位程度が上限で、1単位あたり3回のレポート提出が目安です。1年間で30単位を取得しようとすると、月に7〜8本程度のレポート提出が必要になります。
| 期間 | レポート提出頻度 |
|---|---|
| 1年 | 90枚(3レポート × 30単位) |
| 1ヶ月 | 7.5枚(90枚 ÷ 12ヶ月) |
| 1週間 | 1.5枚(7.5枚 ÷ 5週) |
※通信制高校ナビ編集部算出(2026年3月現在)
参考文献・引用元:文部科学省:高等学校学習指導要領
こうして整理してみると、それほど多い量には感じられないはずです。1本あたりの作成時間も30分〜1時間程度が目安とされており、計画的に取り組めば無理のないペースで進められます。
ただし、再提出が発生することもあります。また、手をつけてみたら分からない部分があって、スクーリングで確認したいという場合もあります。余裕を持ったスケジュールで進めていくことが大切です。提出期限も学校によって厳格に定められているため、ため込まず早めに取り組む習慣をつけましょう。
レポートを提出できないとどうなる?
レポートを期限内に提出できないと、その科目の単位を取得できません。単位が取れなければ卒業が遅れることになります。ただし、通信制高校には「留年」という制度がないため、1〜2単位を落としても次の期間で取得し直せば卒業時期に影響は出ません。焦る必要はありませんが、期限をしっかり守ることが卒業への近道です。
レポートの学習方法は?
まずは単位取得に必要な学習範囲を、教科書や参考書を使って勉強しましょう。ある程度知識が身についたところでレポートの作成に取りかかります。レポート1本あたりの作成時間は30分〜1時間程度が目安で、毎日コツコツと続ける必要はありません。
レポートは穴埋め問題が中心なので、教科書を参照しながら記入していけば問題ありません。最終的に受ける単位認定試験はレポートの内容から出題されることが多いため、ただ埋めるだけでなく、教科書の内容をしっかり理解しながら取り組むことで、後の試験勉強がぐっと楽になります。
作成中に分からない部分が出てきたら、そのままにせず先生に相談しましょう。オンラインで質問できる学校であれば登校日を待たずにすぐ解決できるので、積極的に活用してください。「一人で学習を進めるのが不安」という場合は、個別指導ありの学校やサポート校との併用も選択肢のひとつです。先生やスタッフが学習計画の立て方から一緒にサポートしてくれるため、レポートで詰まることなく着実に単位を積み上げることができます。
レポートをやっていれば大学進学のための学力がつく?
通信制高校から大学進学を目指す生徒は年々増えています。文部科学省の学校基本調査によると、通信制高校卒業者の現役大学進学率は2024年度(2025年3月卒業)に22.27%となり、過去最高を更新しました。2014年度の13.5%と比べると、約10年で約9ポイント上昇しています。
一方で、レポートはあくまで「高校卒業資格の取得」を目的として設計されており、難易度は教科書レベルに設定されています。一般受験で大学を目指すのであれば、レポートの学習だけでは受験に必要な学力は身につきません。志望校に合わせた受験勉強や、通信制高校の進学コース・予備校の活用を並行して検討することをおすすめします。
どのような進路を目指すにせよ、まず土台となるのは毎回のレポートをしっかりこなすことです。基礎を積み上げながら、自分のペースで前に進んでいきましょう。
参考文献・引用元
文部科学省:高等学校学習指導要領
文部科学省:高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン(令和5年2月一部改訂)
文部科学省:令和7年度学校基本調査(速報値)
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部
「一人ひとりに最適な学校探し」をテーマに、さまざまな進路選択を考える生徒さん、親御さんに向けて、よりたくさんの選択肢を提供できるよう、通信制高校、サポート校に関連する情報を発信しています。







