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通信制高校を卒業後に就職するのは難しいって本当?
通信制高校を卒業したあとは、進学か就職かという選択が待っています。
ネットの掲示板などを見ていると、「通信制高校では卒業後に就職するのは不利になるのでは?」と心配する声やネガティブなイメージを目にすることがありますが、実際はどうなのでしょうか?
ここでは、通信制高校からの将来についてや、どうすれば就職に有利となるのか、不利と言われる理由などについて考えてみましょう。
通信制高校は就職に不利なの?
通信制・全日制・定時制は全て同等の高校卒業資格(高卒資格)となります。
そのため、履歴書にも"通信制過程"などと記載する必要もなく、面接官に通信制の学校に通っていると知られることもありません。
しかし、場合によっては面接で聞かれる可能性もあるため、その際は通信制高校に通っていることや、その理由を話す必要があるでしょう。
ここで、通信制高校が不利になるのか? という疑問についてですが、この記事を読んでいる人が、通信制高校について疑問や不安を持っているように、採用する企業側もあまり通信制高校に関しての知識がない場合が多いというのが実情です。
中には「勉強ができない人が行く学校」「ちょっと問題がある人が集まっている学校」などといった偏見を持つ人もいるかもしれません。そのことが、通信制高校が不利となる理由にもなりえるでしょう。
しかし、通信制高校は決して楽に卒業できるわけではありません。自分を自制して勉強に取り組んできたこと、学校に行かない時間で頑張ってきたことなどをきちんと伝えることができれば、採用される可能性は高まるでしょう。
そのためにも、自由な時間の多い通信制高校の特徴を利用し、自分の強み・アピールポイントと言える部分を、在学中に作っておくことが大切です。
通信制高校卒業後の就職状況
文部科学省が発表している「平成30年度 学校基本調査:Ⅱ.調査結果(PDF)」によると、通信制高校卒業生の進路は以下のような割合となっています。
- 大学進学 ……… 19.46%
- 専修学校 ……… 24.72%
- 就職者 ………… 16.03%
- その他 ………… 32.75%(※職業訓練校に入学した人や進路不明という人含む)
「その他」が3割程度となっていることが気になる人もいるのではないでしょうか。
ここには、フリーランスや夢を追ってアルバイトをしている人、起業した人なども含まれるかもしれませんが、フリーターやニートといった定職につかず進学もしていない、という人も多く存在している可能性が考えられます。
もちろん、学校によって進路の割合はさまざまですので一概には言えませんが、こういった状況があることは認識しておく必要があるでしょう。
通信制での就職を有利に進めるための資格取得
高校卒業後、そのまま就職を目指すのであれば、ビジネスで役に立ちそうな資格を取得することで、履歴書が充実し熱意もアピールも出来るため、就職には有利になる可能性は高いです。
資格取得をサポートしてくれる通信制高校もたくさん存在しますので、学校で用意される機会を活かして、資格取得に取り組んでみることも有効です。
学校以外の勉強をすることで、自分の興味関心が広がるきっかけにもなりえるでしょう。
資格の例
マナー検定、簿記検定、日本語検定、秘書検定、TOEIC、電卓技能検定 など
専門知識が学べる学校を選ぶ
大学を卒業して学歴があっても就職できない……という人がいる時代にも、企業から必要とされる人がいます。それは、即戦力となる知識や専門性を持った人材です。
実は、通信制高校の中でも専門学科の就業率は27.4%となっており、普通科の就業率14.8%に対し2倍近い就職率を誇っています。
まだあまり知られていませんが、私立の通信制高校には、専門知識を身につけられる学校もたくさん出てきています。学べる知識もさまざまですが、調理師やトリマー、美容師、保育、看護やシステムエンジニアなどが人気のようです。
カリキュラムについては、専門知識を学ぶため、登校回数や授業は通常の通信制コースよりも増えてしまうでしょう。しかし通信制の高校は、卒業するための単位取得に関する拘束時間がもともと少ないため、その余分な時間を専門知識修得のために使う、という形となります。
そのため、全日制の高校に通うよりも、時間に余裕をもって学べるという学校が多いようです。
- アニメ・マンガ・イラストが学べる通信制高校・サポート校
- ペット(トリマー・トレーナー)関連が学べる通信制高校・サポート校
- ファッション・美容が学べる通信制高校・サポート校
- 調理師やパティシエなど食に関わる仕事を目指せる通信制高校・サポート校
アルバイトで実践を詰む
アルバイトをしたことがある人ならすでにご存知かと思いますが、実際に働いてみないと分からないこと、というものがたくさんあります。
例えば敬語の使い方や、時間を守る大切さといった基本的なことはもちろん、お金の取り扱い方、報告・連絡・相談の重要性など、さまざまなことが学べます。
「敬語が大切」と頭では理解していても、緊張した途端に言葉が出てこなくなってしまう、尊敬語(相手を上げる言葉 例:いらっしゃる、おっしゃる)と謙譲語(自分を下げる言葉 例:うかがう、申し上げる)が混乱してしまうこともあるでしょう。
スーパーのレジ打ちでも、最終的な売上とレジの中の金額がぴったり合っているか1円単位まで毎日計算します。もしミスにより金額がマイナスになっていれば、お店に損失を出すわけですから、当然上司から指導が入ります。
こういった体験をしていることや、ひとつのアルバイトを長く続けられたという事実は信頼につながりやすいため、採用にも有利になるでしょう。
大学・専門学校への進学を目指す
通信制高校の卒業後、すぐに働かなくてもよい金銭的余裕がある、いじめや不登校の影響で通信制高校に通うのがやっとの状態である、という人は、進学してから就職を目指す方法が良いかもしれません。
大学や専門学校を卒業することで、求人の枠も大きく広がり、職業の選択幅も広がるでしょう。ただし、大学も専門学校も、毎日通学し勉強をしなければ就職はおろか卒業も難しくなる可能性は十分にあります。
大学や専門学校を目指すのであれば、通信制高校に通う間に、体調を整え勉強などの準備をしっかりと行うことが必要となります。
結局は、就職をするための準備が重要!
ここでは、就職を有利に進める方法として、資格取得、継続したアルバイトでの就労、専門知識の修得、大学や専門学校への進学を挙げてきました。
どの方法がマッチするかは個人差があるとは思いますが、それぞれの選択肢で一番重要なのは、採用する側の視点を持つことではないでしょうか。
かたや全日制の高校に通っていても、成績不良、バイト経験なし、部活動や生徒会への参加なし、資格取得や課外活動の実績なしという人。
かたや通信制高校で単位を全て取得、ビジネス用の資格も取得、長期のバイト経験あり、学校で頑張ったことや自分の強みをしっかりと話せるという人がいたら、あなただったらどちらを採用したいでしょうか。
おそらく後者ではないでしょうか?
これが、採用する側の視点を持つということです。
もちろん、全ての要素を満たしている必要はありませんし、自分が思うより自分を評価してくれる企業もあるでしょう。しかし、「就職する」という目標を持って高校生活を送るのとそうでないのでは、卒業する段階になって差が出てくるものです。
特に卒業後すぐに就職を目指す人は、通信制高校のメリットを活かして、就職に備えた生活を送ることが大切。希望を実現するためにしっかりと準備していきましょう!
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部
「一人ひとりに最適な学校探し」をテーマに、さまざまな進路選択を考える生徒さん、親御さんに向けて、よりたくさんの選択肢を提供できるよう、通信制高校、サポート校に関連する情報を発信しています。