
「学校に行きづらい」という状況は、お子様や保護者の方にとって非常に大きな課題です。
文部科学省による最新の調査(2024年度実績)を紐解き、現在不登校を取り巻く環境がどう変化しているのか、そしてどのような可能性が広がっているのか、その実態と将来の道筋について整理していきます。
文部科学省の不登校に関する統計データ(2024年度調査)
文部科学省が実施した「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(2025年10月公表)」の確定数値を見ていきましょう。
不登校の生徒数(人数)と割合
小・中学校における不登校児童生徒数は346,482人となり、前年度から大きく増加し過去最多となりました。
| 学校種別 | 不登校生徒数 | 前年度比(増減) | 割合(100人当たり) |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 130,370人 | 22.3%増 | 2.2% |
| 中学校 | 216,112人 | 11.4%増 | 6.8% |
| 高校 | 68,770人 | 13.5%増 | 2.4% |
(出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」)
全課程で不登校者数が増加しています。特に中学校では約6.8%、つまり約15人に1人が不登校という状況です。
高校の不登校率が中学校より低いのは、中学卒業を機に通信制高校などの「自分に合った環境」を選択して再スタートを切る生徒が多いためと考えられます。
不登校生徒数の推移(2018年〜2024年)
近年の不登校者数は、小・中・高すべての課程において右肩上がりで増加しています。特に2018年度と比較すると、その差は顕著です。
| 年度 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 合計(小中高) |
|---|---|---|---|---|
| 2018年度 | 44,841人 | 119,687人 | 52,723人 | 217,251人 |
| 2022年度 | 105,112人 | 193,936人 | 60,575人 | 359,623人 |
| 2024年度 | 130,370人 | 216,112人 | 68,770人 | 415,252人 |
(出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」各年度版より集計)
2018年度から2024年度の6年間で、小・中学校の不登校者数は約2倍に急増しています。
これには新型コロナウイルスの影響による生活環境の変化や、不登校に対する社会的な理解が進み「無理に登校しなくてもよい」という選択肢が広まったことも要因の一つと考えられます。
学年別で見る不登校の生徒数(人数)
学年が進むにつれて不登校者数が増加する傾向が顕著です。
| 学年 | 小学校 | 中学校 | 高校 |
|---|---|---|---|
| 1年生 | 9,154人 | 58,035人 | 28,154人 |
| 2年生 | 13,694人 | 77,768人 | 22,231人 |
| 3年生 | 17,997人 | 80,309人 | 16,168人 |
| 4年生 | 23,090人 | - | 2,217人 |
| 5年生 | 29,847人 | - | - |
| 6年生 | 36,588人 | - | - |
| 合計 | 130,370人 | 216,112人 | 68,770人 |
(出典:文部科学省「令和6年度調査」より確定値を集計)
小学校から中学校にかけては学年が上がるごとに増加し、中学3年生が全学年で最多となります。
高校では逆に学年が上がると減少しますが、これは環境の変化(通信制への転校など)や中途退学による減少も含まれます。

不登校になったきっかけと原因
不登校のきっかけは複合的ですが、文部科学省の調査では「本人に係る状況」が最も多くなっています。
不登校の主な要因(2024年度調査)
| 不登校になったきっかけ(2024年度) | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 区分 | 小学校 | 中学校 | 高校 | ||||
| 人数 | 割合 | 人数 | 割合 | 人数 | 割合 | ||
| 学校に係る状況 | |||||||
| いじめ | 334人 | 0.3% | 462人 | 0.2% | 129人 | 0.2% | |
| いじめを除く友人関係 | 9,417人 | 7.2% | 25,487人 | 11.8% | 6,707人 | 9.8% | |
| 教師との関係 | 2,254人 | 1.7% | 1,953人 | 0.9% | 335人 | 0.5% | |
| 学業不振 | 4,557人 | 3.5% | 13,446人 | 6.2% | 4,449人 | 6.5% | |
| 進路に係る不安 | 279人 | 0.2% | 2,014人 | 0.9% | 2,389人 | 3.5% | |
| 部活動等への不適応 | 33人 | 0.0% | 920人 | 0.4% | 561人 | 0.8% | |
| 学校のきまり等 | 966人 | 0.7% | 1,392人 | 0.6% | 569人 | 0.8% | |
| 入学・転編入等の不適応 | 2,374人 | 1.8% | 8,261人 | 3.8% | 5,783人 | 8.4% | |
| 家庭に係る状況 | |||||||
| 家庭生活環境の急激な変化 | 4,453人 | 3.4% | 4,561人 | 2.1% | 1,228人 | 1.8% | |
| 親子の関わり方 | 15,009人 | 11.5% | 11,093人 | 5.1% | 2,169人 | 3.2% | |
| 家庭内の不和 | 1,933人 | 1.5% | 3,745人 | 1.7% | 1,185人 | 1.7% | |
| 本人に係る状況 | |||||||
| 生活リズム・遊び・非行 | 16,339人 | 12.5% | 24,195人 | 11.2% | 11,357人 | 16.5% | |
| 無気力、不安 | 68,095人 | 52.2% | 115,584人 | 53.5% | 29,039人 | 42.2% | |
| 左記に該当なし | 4,267人 | 3.3% | 12,499人 | 5.8% | 2,870人 | 4.2% | |
(参考:文部科学省「令和6年度調査」不登校の主たる要因別割合)
全年代を通じて「無気力、不安」が最も高い割合を占めており、特に小中学校では半数以上にのぼります。
また、要因を詳しく見ると、小学校では「親子の関わり方」などの家庭環境の影響が他年代より大きく、中学校では「友人関係」の悩みが深まり、高校では「生活リズムの乱れ」や「学校への不適応(転編入など)」が相対的に高くなるなど、成長段階に応じて不登校のきっかけが変化しているのがわかります。
まとめ:焦りすぎず次の選択肢も考えよう
不登校は、決して「特別なこと」ではありません。「今の学校という枠組み」とお子さんの個性が、たまたま少しずれてしまっただけで、中学校では15人に1人が同じ道を通っています。
データが示しているのは、中学校を卒業する頃や高校在学中に、多くのお子さんが「通信制高校」や「サポート校」という新しい居場所に出会い、自分の笑顔を取り戻しているという事実です。
お子さんの「自分らしくありたい」という力を信じて、焦らず一歩ずつ、一緒に未来を探していきましょう。
参考文献・引用元
文部科学省:令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
文部科学省:不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)
通信制高校ナビ:通信制高校の学費・費用を詳しく解説
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部
「一人ひとりに最適な学校探し」をテーマに、さまざまな進路選択を考える生徒さん、親御さんに向けて、よりたくさんの選択肢を提供できるよう、通信制高校、サポート校に関連する情報を発信しています。








