大人になったら解決するってホント? 中高生のときにつらかったことは大人になってどう感じているの?

先輩に聞く

2019/03/19

学生という立場や学校というコミュニティで過ごすなかで、誰もが悩みを抱えていると思います。中高生のときには、「私だけがこんな思いをしている……」と、どうしようもなく悩んだこと。そのなかには、大人になってから解決できた悩みが沢山あるんです。

周囲の声をもとに、「中高生のときはつらかったけど、今は悩まなくなった」というエピソードを集めてみました。

自分に自信が持てない……

集団生活をしている学生時代は、周りと比較されることが多く、容姿へのコンプレックスを抱きやすい時期でもあります。なかでも、肌荒れや顔のパーツ、体型などにコンプレックスを抱えていたという声が多くありました。

コンプレックスに悩まなくなった理由は、「仕事や恋愛、ほかに考えることが増えて、容姿の悩みだけに固執することが少なくなった」「料理や食事を勉強して選択肢を知り、肌荒れを解消できた」「メイクやダイエット、エステなど自分の努力次第で変われると分かった」など。

そして、「コンプレックスを活かす」方法もあります。それぞれに個性があって、その人の良さがあります。自分ではコンプレックスと感じていることも、チャームポイントだと言ってくれる人に出会うことで、自信が持てるようにあることもあります。

家族とうまくいっていないから、早く家から出たい……

親との関係がうまくいっていない、家庭環境が複雑で居心地が悪いなどと感じていた人は、家から独立してしまえば少し楽になるかもしれません。

「社会に出て自分の経験値が増えたことで、当時の親の気持ちを理解したり推測したりできるようになった」「当時の厳しさや門限を設ける意味もわかるようになった」など、自分の環境や立場、ライフステージの変化によって、親への見方が少しずつ変わったというエピソードも。

もちろん許す気持ちを持てなくても、「距離をとる」のも一つの方法です。「離れる」「許す」「理解する」などのさまざまな選択肢が生まれることで、自分なりの解決が見つかることもあります。

集団生活やコミュニケーションが苦手……

集団生活がつらい、学校に価値観が合う人がいない……私もそう思っていた一人でした。どうしてコミュニティに入れないのか、自分がおかしいのか。そんなふうに自分を責めて自信をなくしたときもあります。

私の場合、学校以外の場所での出会いや経験によって、周りに好きな人が増えていきました。同時に、嫌いな人とのコミュニケーションは意外と減るんだ、と知りました。こうやって社会に出て、趣味や旅先など学校以外のコミュニティを知ることで、新しい居場所や自分が見つかることもあります。

スクールカーストにストレスを感じていた友人も、今では「自分は自分で良い、周りの言動は気にしなくてもいい」と、思えるようになったんだそう。付き合う人が自分で選べるようになるのは、とても大きな違いかもしれません。

苦手な科目の勉強がつらい……

どうしても苦手な科目がある、なぜこの勉強が必要なのかわからない……という悩みを抱えている人も多いですよね。

実は、大人になると、進む道によっては苦手な科目に触れる機会がほとんどなくなることも。反対に、「学生時代に好きだった科目や続けていたことが仕事につながり、苦手な科目よりも好きな科目のほうが大切と実感した」という声もありました。

「じゃあ、なんで苦手なことも勉強しなくちゃいけないの?」という問いの答えの一つに「苦手なこともやってみること」の大切さもあるのかな、と思います。世の中には文系と理系だけでは分けられないことがたくさんあります。

例えば、営業というコミュニケーションを軸にした仕事も、利益がどれだけ出たかという数字と向き合う必要があります。もし自分の子どもがけんかをして帰っても、言葉や行動の真意がわからなければ、どうしてその行動をとったのかの本質は理解できません。言葉を読み解く力は、人の気持ちを考えることにもつながっています。

ほかにも、家庭環境がコンプレックスだった人は自分のパートナーとあたたかい家庭を作ることを目指したり、金銭的な問題に悩んだ人はその思いを原動力にして働いていたりするなど、当時の自分の理想を自分で叶えられた人もいます。

大人になることは、選択肢が増えると同時に、自分の行動次第で今や未来を変えられることです。過去は変えられませんが、今がずっと続くわけではありません。大人になるって意外と悪くないな、と思ってもらえるとうれしいです。みなさんの毎日に、少しでも光が差しますように。

(執筆:橋本結花 編集:鬼頭佳代/ノオト)

※本記事はWebメディア「クリスクぷらす」(2019年3月19日)に掲載されたものです。

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