この“生きづらさ”って何だろう? 自分を知るヒントになるコミックエッセイ5選

本などから学ぶ

2018/06/29

他の人が当たり前にやっていることがうまくできない。この“生きづらさ”は一体なんだろう? 私に何か問題があるの……?

今回は、さまざまな“生きづらさ”をテーマにしたコミックエッセイをご紹介します。もしかするとあなたと似た経験をしてきた人も、世の中にはいるのかもしれません。

『それでいい。自分を認めてラクになる対人関係入門』(細川貂々、水島広子/創元社)

『ツレがうつになりまして』の著者・細川貂々が、精神科医で「対人関係療法」の第一人者・水島広子に会いに行くコミックエッセイ。

悩みがあって苦しい、自己肯定感がいつも低い……。そんな“ネガティブ思考クイーン”であると自負する著者。水島先生に相談しながら、自分の心にある課題やその対処法を学び、日常生活の中で生かしていきます。

「感じてる気持ちは人間として当たり前と認める」、「世の中ボーっと生きている人が8割なんです」といった水島先生のセリフは、頑張らなきゃといつも心に言い聞かせている人の心をほどいてくれるはず。

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『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』(汐街コナ、ゆうきゆう/あさ出版)

元グラフィックデザイナー、今はフリーのイラストレーターである著者の「働きすぎてうっかり自殺しかけ」た経験を描いたコミックエッセイ。

仕事や会社に追いつめられていると、本人も気付かないうちに視野が狭くなってしまうもの。その状態からどうやって抜け出し、自分の人生を大切にするか。そんなふうに考え、立ち止まるきっかけを与えてくれる作品です。各章の終わりには、精神科医であり漫画家でもあるゆうきゆう氏による解説も。

「自分の命と人生を最優先に考える」。これほど力強いメッセージはありません。会社で働く人はもちろん、学校に行くのがつらいという人にもぜひ読んでほしい一冊です。

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『同居人の美少女がレズビアンだった件。』(小池みき、牧村朝子/イーストプレス)

著者と同じシェアハウスに暮らす牧村朝子(通称:まきむぅ)の「ありのままの恋」を応援するコミックエッセイ。

ある日、まきむぅはレズビアンであることを日常会話の中で著者にカミングアウト。著者をはじめ、ハウスメンバーにも自然に受け止められ、やがて彼女はのちに妻となる“運命の人”と出会います。

作中には、セクシャリティを自覚したはずなのに「レズビアンは異常者なんだ」と不安になったり、「レズビアンだからこうしなきゃ」と悩んだりするエピソードも……。重くなりがちな内容も、かわいらしい絵柄で描かれていて、親しみやすいのも本書の魅力。

「私は私なりに色んなテーマで悩みや孤独があった。誰だってある。セクシャリティの悩みだけを特別視する必要があるだろうか? 人を助けられるかもしれない手の数は多いほうがいい」という言葉をはじめ、”自分”を生きようというメッセージが伝わってくる作品です。

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『いつもうっすら黒歴史』(お肉おいしい/KADOKAWA)

著者の”スクールカーストの場外で過ごした”高校生活を振り返るコミックエッセイ。「高校不安だけどまぁ何とかなるでしょ」と入学したものの、ほぼ友達ができない“ぼっち生活”がスタートしますが、高校2年生になる頃には学校を辞めたいと思うように……。

分かりやすくいじめられているわけではなくても、学校に居場所がないのはつらいものです。そんな時は、世間一般の感覚になろうと頑張らず「学校の外に世界をつくることも一つの方法」、と著者は述べています。田舎暮らしで周りに何もなかった著者はインターネットの世界で自分の価値を見つけたそう。

あとがきの「ズレている人間にはズレている人間なりの生き方がある」という言葉は、「教室にいるのがつらい」という気持ちを少し楽にしてくれるはず。

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『ゆがみちゃん 毒家族からの脱出コミックエッセイ』(原わた/KADOKAWA)

本作の主人公・ゆがみちゃんが家から逃げ出し、自分の価値を見つけ、未来の可能性を考えるストーリーです。家族関係に苦しみ、生きることすら放棄しそうになり、それでも自立し今を生きる、著者のリアルな経験談でもあります。

各章の終わりに、社会に根付く家族への先入観や、いじめが連鎖していく理由などをわかりやすく解説したコラムがあり、章ごとに理解を深めながら読み進めることができるのも本書のポイント。

置かれている状況は人それぞれですが、親から離れて生きていくために必要な知識や経済力、理解者もしくは仲間の作り方なども描かれているので、同じように親との関係で悩んでいる人のヒントになることでしょう。「自分も毒親になってしまいそうで怖い」という大人も、必読の一冊です。

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ときには“生きづらさ”から逃げてもいい

周りにはなかなか言えず、目には見えない“生きづらさ”。

今は、様々な体験がコミックエッセイとして出版されていたり、Webで連載されていたりします。

それらは“生きづらさ”に立ち向かうことはもちろん、“生きづらさ”から逃げてもいいことを教えてくれます。自分の経験と重ね合わせられるものを探してみてくださいね。

(選書・執筆:水本このむ 編集:鬼頭佳代/ノオト)

※本記事はWebメディア「クリスクぷらす」(2018年6月29日)に掲載されたものです。

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