怒りやイライラ、不安……コントロールが難しい気持ちを落ち着かせるヒント本5選

本などから学ぶ

2018/10/13

小さなことにイライラしたり、何気ない一言で気分が沈んでしまったり……。そんなマイナスの気持ちをどうにかしたいと思っていても、自分でコントロールするのは難しいもの。

今回は、怒りや不安が発生するメカニズムから対処法まで教えてくれる5冊をご紹介します。

『キレる私をやめたい ~夫をグーで殴る妻をやめるまで~』(田房永子/竹書房)

キレて夫を殴っては自己嫌悪に陥る。そんな著者の苦悩と心の再生がつづられたコミックエッセイ。キレてしまう心との向き合い方から、ゲシュタルト療法との出合い、夫との関係再構築までが描かれています。

ゲシュタルト療法と、心理療法の一つで、未完結な問題や悩みに対して、再体験を通して「今ここ」での「気づき」を得るもの。著者は、ゲシュタルト療法を通じて「キレるのは怒りでもあったけど、パニック状態でもあったんだ」と気付きます。

キレる理由も解決法も人それぞれ。感情の爆発を抑えられないという人に、キレる心のメカニズムを知るきっかけを与えてくれる1冊です。著者が「ビビーンときた」という書籍『家族連鎖のセラピー―ゲシュタルト療法の視点から』(百武正嗣/春秋社)も参考にしてみてください。

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『怒っていい!?〈誰にも嫌われない〉〈相手を傷つけない〉怒り方』(矢野惣一/ヒカルランド)

怒りを抑えてしまう理由、怒りの役割、怒りが生まれる要因、怒りを表現してよい状況、怒りが生まれるまでの経路など、怒りのメカニズム全般が平易な言葉で書かれている心理の読み物。

「怒りを自分に向けてしまいがちな人は、他人のせいにしてみる。他人に任せる、頼る」「椅子に向かって怒る練習をする」「怒るときは相手の感情と性格(人格)を否定しない」など、怒りを抑えるのではなく、怒りという感情の対処法と表現方法がまとめられています。

怒りを表現する目的は、相手の言動によって傷つけられた自分の感情に気付いてもらい、大切な価値観を守ること。怒りを我慢している人やうまく表現できない人におすすめ。

随所に登場する「怒りは、自分と自分にとって大切な人やものを守るための感情」というフレーズは、「怒ることは悪いこと」と思いがちな心に響くことでしょう。

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『「すっごく心細い」がピタリとやむ! ―「生まれつき性格」を大事にできる本』(竹内成彦/すばる舎)

「生まれつき性格」とは、生まれ持った性格を指しており、生まれてから死ぬまで一生変わらない先天的性格のこと。本書では、自分の「生まれつき性格」とどう付き合っていけばいいかを、「ポジティ(ポジティブな性格)」「ネガティ(ネガティブな性格)」という造語を使いながら分かりやすく解説しています。

著者自身はネガティであるため、本書は主にネガティのために書かれています。たとえば、「開き直って生きる」ために、人生は「苦しいものだ」と思うこと。悩みすぎないために、「結局、運だ」と思うこと。このように、ネガティのままで幸せを感じられる知恵や対処法を授けてくれます。これまで、無理をしてでもポジティの考え方や行動ルールを取り入れようときた人におすすめしたい1冊です。

まず序章にある著者オリジナルの性格診断テストで、自分の生まれつき性格がネガティなのかポジティなのかをチェックしてみましょう。本書はネガティにとって役に立つことはもちろん、ポジティ・ネガティ両者にとって、視野を広げるきっかけになることでしょう。

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『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』(草薙龍瞬/KADOKAWA/中経出版)

2500年以上前のインドでブッダが説いていた、もっとも古い教え(原始仏教)を紐解きながら、実用的かつ合理的で現代にも使える「考え方」を教えてくれる本。ブッダの教えとは「心のムダな反応を止めることで、いっさいの悩み・苦しみを抜ける方法」のことだそう。

最近、イラ立つことが増えてきた。身近な人のやることなすことが、目についてしようがない。こうした悩みは心の無駄な反応から始まっている、そのために心を正しく理解することが悩みを解決する秘訣だと著者は言います。

さらに、心の反応をコントロールするには練習が必要です。本書には、「自分はいま◯◯している」と心の状態を言葉で確認することや、手のひらや足の裏の感覚を意識しながら体を動かすことで心を落ちつけるといった、物事に無駄に反応しないための練習方法まで紹介されています。

イライラしがちだと感じている人、誰かの発言やSNSの情報が気になる人は、ぜひ手に取って実践してみてください。フラットな心で物事を捉えられるようになるはず。

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『求めない』(加島祥造/小学館)

「求めない――すると心が静かになる」
「求めない――すると恐怖感が消えてゆく」

このように、「求めない」という言葉が繰り返される詩集です。

しかし、著者はところどころで「人間は求めてしまう存在だ」とも言います。人間は求めすぎるから傷ついてしまう、必要以上に求めなくてもちゃんと生きていけるということを実感できる作品です。自分や他人への期待だけでなく、恐怖もまた求めることから来るもの。不安になったり、心細さを感じたりした時に、ぜひ手に取ってみてください。

手のひらほどのサイズで文字数も少なく一気に読めますが、あえてゆっくりと呼吸を意識しながら朗読するのがおすすめ。「求めない」と声に出すたび、心が穏やかになっていくことを感じられることでしょう。

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マイナスの感情だけに反応せず、感覚や行動に意識を向ける

感情をコントロールするのはとても難しいもの。コントロールしようとすればするほど、できない自分にイラ立ちや不安を感じるかもしれません。そんな時は、感情ではなく、自分の感覚や行動を意識してみてください。

そのために、手元に本を用意しておくというのも一つの手。ネガティブな感情に気づいた時にパラパラと読める状態にしておくといいかもしれませんね。

(企画・選書・執筆:水本このむ 編集:鬼頭佳代/ノオト)

※本記事はWebメディア「クリスクぷらす」(2018年10月13日)に掲載されたものです。

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