【2024年更新】通信制高校の卒業率は低いって本当?【素朴なギモン】

通信制高校

教育問題

2018/04/03

通信制というと、誰でも入れるというイメージがありますが、実際は自分でレポートを作成したり、決められた日に登校したりと、自己管理が必要になってきます。
勉強する環境を自分で作り、それを数年間継続することは意外と大変なもの。

そこで気になってくるのは、「通信制高校で自分はちゃんと卒業できるのか?」ということではないでしょうか?

公立と私立の通信制高校卒業率

文部科学省のデータを見ると、私立の通信制高校の卒業率は約96.5%。公立では卒業率は約95%となっています。

  全日制 通信制
  退学者数 中途退学率 卒業率 退学者数 中途退学率 卒業率
公立 14,540 0.8% 99.2% 2,696 5.0% 95.0%
私立 14,383 1.4% 98.6% 6,288 3.5% 96.5%

参考)児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査│文部科学省

ただし、特に公立では3年以上在籍している生徒が多い可能性が考えられます。その理由がこちらです。

  • 通信制高校は在学期間の上限がない(場合が多い)
  • 公立通信制高校の学費は安い(年間数万円)
  • 就学支援金(国からの補助金)も、通信制高校は在学期間4年間までしかもらえない

つまり、公立の通信制高校であれば、就学支援金がもらえなくなっても年間1万円程度の学費を払えば、何年でも在籍し続けられます。
学年もないので留年のストレスもありません。

私立の通信制高校では…?

私立の通信制高校では、登校がないネットだけのコースでも年間十数万円程度の費用と、取得した単位分の学費がかかります。
他の条件は公立と同じですが、年間にかかる費用が10倍近く違うため、私立の通信制高校であれば、何年も在籍して卒業を目指す人はあまり多くはないのではないでしょうか。

公立でもコツコツ単位を取ればいつかは卒業できる?

そもそも高校には、在籍期間の上限が設定されている場合があります。
全日制高校では在籍期間は6年間まで(定時制は8年間)と決められている場合が多く、その期限を越して在籍することはできません。

しかし、通信制では単位制というしくみを採用していることもあり、在籍期間の上限が用意されている学校は少ないようです。
つまり、毎年数単位でも単位を取得し続ければ、数年…いや十数年かかるかもしれないけれど、通信制高校を卒業することはできるでしょう。

実際、働きながら、子育て・介護をしながら、病気を持ちながらなど、理由はさまざまですが、10年かけて通信制高校を卒業した、という人もいます。

最短で通信制高校を卒業したい?

もし15歳で通信制高校に入学、10年後に卒業するとなると、そのときには25歳になっています。
同級生と同じ時期に卒業したい、大学や専門学校に進学したいと考えれば、なるべく早く通信制高校を卒業できた方がいいですよね。

何年かかっても学費を安く抑えたい、自分で通学や勉強の自己管理ができる!という人には公立。
なるべく早く短期間で卒業したい、自主自律は難しそうなのでサポートが欲しい、という人は私立の通信制高校を利用する。

このように、『自分の卒業率』を上げるためには、自分の望みや使える時間・金銭面をしっかり検討することが大切ですね。

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この記事を書いたのは

通信制高校ナビ編集部