通信制高校を知って道が開けた 鹿島学園 先輩インタビュー

取材

2017/07/03

全日制の雰囲気が合わないので転校したいが編入のハードルが高い、高校でつまずいてしまったが留年はしたくない、などのニーズから通信制高校を選ぶ人も多くいます。しかし、中学生や高校生、その親御さんの中には、通信制高校という存在を知らない方もまだ多いかもしれません。

途中から高校へ行けなくなってしまった渡辺さんも、進級ができない、となるまで通信制高校の存在を知らなかったと言います。

渡辺さん
3年生から鹿島学園高等学校に転入
2017年3月 卒業

 

転入後、無事通信制高校を卒業することができましたが、転入や新たな学校生活でどんなことを感じていたのでしょうか。

睡眠時間3時間 それでもできない自分を許せなくて

── 渡辺さんは、高校3年生の時に全日制の高校から鹿島学園高等学校に転入されたんですよね。

渡辺さん「はい。2年生の時に出席日数が足りなくなり、2年生をもう1回やらないといけなくなってしまいました。そうしない場合、私立高校に転校してまた2年生をやるか、通信制高校に行くかという2つの選択肢があったんですが、2年生をもう1回やる、というのは、どうしても嫌だったんです。
でも、通信制なら残り1年間で単位が取れれば卒業できる、それなら前の高校の友達と一緒に高校卒業できるって知って、通信制への転入を決めました」

── 出席日数が足りなくなった理由を聞いてもいいですか?

渡辺さん「前の高校はすごくやることが多くて、予習や課題がほとんどの教科であるし、寝る時間も3時間くらいでした。それで身体が持たなくなってしまったんです。友達関係は本当に良かったし、学校も良い学校だったんですけど、うまく全部をこなせない。そんな自分も許せないって思っていたら、学校自体に行けなくなっちゃいました。
どんどんひきこもりがちになって、たまに学校に行けても続かなくて……。そのうちに出席日数が足りなくなり、進級できなくなりました」

── 睡眠時間3時間の生活、とても大変だったでしょうね……。親御さんは転入についてどんな反応でしたか。

渡辺さん最初は『え、なんで辞めるの?』という感じでしたね。進級できるかどうか日数がギリギリだった時は、親も『行った方がいいんじゃない』と言っていたんですけど、もう日数が足りないと決まったくらいから、『このままじゃ無理なのかな』と思ってくれたのか、仕方ない……と納得してもらった感じでした。
母には、学校を辞めたいってなんとなく言えていたんですけど、父には言えなかったです。結局、自分ではっきりと親に辞めたいとは、言えなかったかもしれません」

 

友達は作らなくていい、って思っていたけど

渡辺さんとキャンパス長の伊藤先生

── 前の学校では途中から行けなくなってしまった、ということですが鹿島に入学してからは順調でしたか?

渡辺さん「友達づくりはちょっと大変でした。最初は、友達は作らなくても平気かなって思って、学校行事にはあまり出ていなかったんです。
先生方はフランクなので、いつも話しかけてくれるし学校に行くことは辛くなかったのですが、通信制だと毎日学校に行くこともないし、前の学校の友達とも会えなくて、1人で何をしたらいいのか分からなくなりました。
勉強だけだと辛いし、でも勉強以外に自分は何がしたいんだろう、って悩んでいましたね」

── 気分転換したり、悩みを共感し合ったりできないとストレスも溜まってしまいますよね。

渡辺さん「はい。でもそんな時に参加した行事で、1人で来ていた子に話しかけてみたら、話がはずんだんです。その子とは今でも遊んでいるし、他の行事でも下級生の子と仲良くなれました。そうなるとやっぱり楽しくて。だから、もっと前から行事に出て友達がつくれていたら、もっと良かったかなと思います

 

学校のペースに合わせているみたいだった

── 勉強の方はどうでしたか?

渡辺さん「私は大学進学希望だったので、後期に受験勉強に集中するためにも、まず前期にレポートを全部終わらせました。その他にも、週4で塾へ行って、家でも勉強していたので大変でしたが、全日制の子よりは時間もあるし、進学校の子も頑張ってるから、と思いながらやってましたね。
ただ、前の学校では学校のペースに合わせてるような感じだったのが、通信制では自分のペースでできるので、余裕がある、時間があるっていうのはとても良かったです」

── 時間の使い道を自分で選べるようになったことで、余裕を持てたのかもしれませんね。では、卒業後はどういう進路に進むのでしょうか?

渡辺さん「大学で栄養学を学びます。食事って人の役にも自分の役にも立つし、絶対に必要なものなので、そこに関わっていきたいと、高1の時に栄養師の方に話を伺った時から思っていました。自分が小さい時からスポーツをやっていたのもあって、スポーツ栄養学にも興味がありますね」

── ありがとうございました! では最後に、学校選びに悩んでいる中学生やその周りにいる人に対して、メッセージをお願いします。

渡辺さん選択肢はたくさんあるってことを中学生のみなさんにも知って欲しいと思います。通信制高校っていう存在を私は知らなったし、中学生は進路も学力などで『このあたりの高校かな』とか、あまり調べずに決めてしまうことも多いと思うんですけど、他にもいろんな道があるよってことを、学校からも教えてもらえたらいいなと思います。
通信制とか色々な選択肢を知ることで、道が開ける子もいると思うから、もっと知られるようになって欲しいですね

 

編集後記

前の高校では頑張りすぎて疲れてしまったという渡辺さん。時間の余裕もなかったことで、心の余裕も失われていったのかもしれません。しかし、親御さんが通信制高校や高卒認定試験などを調べてくれたおかげで、他の選択肢を得ることができました。

周りに学校のことで悩んでいる人がいたら、他の選択肢を一緒に考えたり調べたりするだけでも、大きな力になるのかもしれません。

(文・きたざわあいこ/クリスク)

取材協力

この記事を書いたのは

株式会社クリスク  ライター
北海道出身。中学時代に約2年間いじめにあい不登校になりかける。上京してはじめて、学校以外の居場所や立場の違う人と接し、コミュニケーションについて考えるように。現在は自分の経験を活かし、子供の悩みや進学に関する悩みについての記事を執筆。