vol.1:通信制高校のシステムを利用した「まったく新しい高校」(後篇)

生徒・先生の声

通信制高校

2016/01/27

N高等学校に入学条件はありません。誰でも受け入れます

説明会には不登校の子だけでなく、毎日学校に通っている子も来ています。学校の勉強が苦手だと言っている子が多いかな。あとは「元気な不登校」の子。元気というのはやんちゃという意味ではなくて、全く普通に生活していて、学校だけ行けない子のことです。「ニコニコ超会議に頑張って朝から並んで行きました!」とかね。「ニコニコ動画が学校を作ってくれて嬉しい!」って喜んでくれる子もいますよ。ゲームやアニメ、パソコンのプログラミングに夢中で、そればっかりやっているって子も多くて、「それを思いっきり、高校時代にやってみようよ」って話しかけたり、「高校で漫画、描いてみない?」って言ってあげたら、すごく笑顔になる子も多いんです。「それでいいんですかね?」と心配していたお母さんにも「高校3年間やってみたらいいじゃないですか。それでいいなと思ったら美術大学に進学することもできますよ?」とお伝えしたら、そういう道もあるよねと納得してくださったり。

説明会には普通科に行かせるのはどうなんだろうと疑問に思っていたという保護者の方もいらしています。N高等学校の「普通の高校生になってどうするの?」というキャッチフレーズが心に引っかかるようです。「どういうことなのかな?」という部分を直接聞いていただいて、頷いて帰っていかれる方は多いです。

N高等学校の説明会は、お父さん、お母さん、本人と3人で来られる方が多いのが特徴的です。今までの経験で言うと、通信制高校の説明会は本人が来ないことが多いんですよ。ひとりで心配な顔をして来ているお母さんに「本人は?」と聞くと、「家から出ないんですよ」というケースが多い。N高等学校の説明会は、親子3人が明るく来ていますよ。

私は説明会で「N高等学校しかないですよ!」ということは言わないんです。学校っていろいろあるんだから、選ぶ目を持ちましょうよ、ということが伝えたい。例えば、全日制高校にだって生徒数の多いところや少人数のところがあって、学校の雰囲気も様々です。そのいろいろある中に「いま本当にやってみたいこと」を思いっきりやらせる高校があって、そこで「思いっきりやってみてもいいんじゃないですか?」と問いかけるだけです。

もちろん「誰にでも来てほしい、入学条件はない」ということも伝えます。これは川上も言っていることです。その意味も込めて、授業料も他校と比べると安価に設定してあります。

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私たちは通信制高校を作るつもりは毛頭ないんです

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学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校

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