vol.1:通信制高校のシステムを利用した「まったく新しい高校」(前篇)

生徒・先生の声

2016/01/20

●お話を伺った人

N高等学校校長。30年以上教育業界に身を置く。小学校教諭から塾講師、通信制高校までと、その業績は多肢に渡っている。特に17年前より携わる通信制高校の分野では、時代のニーズに合わせた数々の立ち上げを先頭に立って行ってきた。2014年よりN高等学校の立ち上げに参画。

N高等学校校長 奥平博一さん

「普通の高校生になって将来どうするの?」という強烈なキャッチフレーズで打ちだす、ネットの高校「N高等学校」。
時代の先端に立つ企業からの発信ということで、その斬新さばかりに目がいってしまいがちだが、根底にあるのは「教育の本質とは何か」ということ。「いまを生きる子どもたちの将来のために、大人がしてあげられること」がたくさん詰まったこの学校について、奥平博一校長にお話を伺った。

「立ち止まってもう一度考えてみないか?」

私は大学を卒業して、小学校の教員をやらせていただきました。その後、学習塾の経験もありまして、中学受験の世界も経験したんですね。
そこから某通信制高校に移りまして、その学校の単位制の立ち上げに関わりました。16~17年前になりますが、それが私の通信制高校への最初のかかわりです。その後、別の通信制高校の立ち上げに参加し、10年間携わりました。こういった経緯で30年以上教育界に身を置かせていただいています。
今の子どもたちの置かれている状況に対して「立ち止まってもう一度考えてみないか?」という提案を説得力のあるカタチで出来ることに魅力を感じ、昨年10月からN高等学校の立ち上げから参画しています。

様々な仕事がある今なのに、子どもたちは成績をよりどころにして、通り一遍に全日制高校に進学し、疑いもなく大学に進学する。その結果、大学の中退率も上がってきていて、就職しても3年以内に3割近くの人が辞めてしまうということが起きている。親は「毎朝家を出て学校に行くのが当たり前」と思っていて、教育については学校に丸投げしている。そして、たくさんの子どもたちが大学を卒業した時に「どうするの?」となってしまう。
その一方で、ひとつのことに特化していたり、ひとつのことに夢中になって打ちこんでいる子どもは、バランスを欠いていると眉をひそめられてしまう。
このような状況に対して、川上(学校法人角川ドワンゴ学園理事・川上量生氏)の「不登校の子にも絶対に能力があって、それを社会に引っ張り出したい」という強い想いをベースに、企業体だからこそ説得力を持って新しい教育のカタチを提案することができるのではないか? それが通信制高校のシステムを利用した全く新しい学校――「N高等学校」だと思ったんです。

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進学のその先にある「さらに必要なこと」が提案できる学校

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インタビューした学校

学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校

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