夢に近づくにはどうすればいいの? 鹿島学園 先輩インタビュー

取材

2017/07/10

夢はあるけれど、そのために何もできていない。
何をしたらいいのかが分からない。

そんな人は多いのではないでしょうか。

今回話を聞いた中川さんは、夢のために高校を転校。
同時に東京へ1人で上京したのだとか。

中川さん
3年生から鹿島学園高等学校へ転入
カシマアクターズに週5回通う
2017年 3月卒業

中川さんはどうやって周囲を説得したのか。そして、どうしてそんなに積極的に行動できたのか、その考え方に迫ってみました!

本当は高校2年生の時に転校したかったけれど…

── 演技の勉強をするために、地元から上京し鹿島学園高等学校に転入されたそうですね。演技には昔から興味があったのですか?

中川さん「いえ、高校ではじめて演劇部に入りました。中学校までは野球をやっていたんですが、恵まれた環境もあり、熱中しすぎて満足してしまったんです。だから、高校では野球以外のことをやろうと思っていました。
そんな時に、先輩に誘われて演劇部の新入生歓迎公演を見たら、すごく惹かれてしまった。そこではじめて演劇っていうものに触れて、どハマりしてしまいました(笑)」

── そこからなぜ上京しようと思ったのでしょうか?

中川さん「その演劇部は全国大会の常連校だったんですが、地元では他に演劇を学べる環境がなくって。顧問の先生に聞いても、東京などの都会に行くのが一番と言われて、2年生が終わった時点で、思い切って役者を目指して上京しました」

── 上京だけでなく、学校も転校するのはかなり大きいことだと思いますが、親御さんはすぐに賛成してくれましたか?

中川さん「いいえ。高校1年生が終わる時点で、親と先生に上京したいと言ったんですが、当然反対されました(笑) でも、演劇部でメインキャストに選ばたり、全国大会にも行ったりすることで真剣なことを証明し、1年かけて親と先生を説得して許しを得ることができましたね

── 先生も親御さんも、真剣な思いを受け止めてくれたんですね。ではなぜ、通信制高校へ転入しようと思ったのですか?

中川さん「普通の学校だと平日は毎日学校があるし、その後となると時間が限られてきますよね。それでいて学業もしっかりやる、というのは難しい。でも通信制高校は自由度が高いので、演劇にのめり込める環境を持ちながら、高校も卒業できるっていうのが魅力的だったんです」

「人として」の力を育ててもらった。

── さまざまな通信制高校の中でも、鹿島学園高等学校、そしてカシマアクターズ (※鹿島の演技を学ぶコース)を選んだ理由を教えてください。

中川さん「色んな通信制高校を見たんですけど、どうせ行くなら興味あるものが学べるコースがいいなと思って、カシマアクターズ のある鹿島学園を選びました」

── カシマアクターズ での授業はどんなことをするんですか?

中川さん「舞台向けと映像向け、両方の演技を学びます。舞台演劇だけをやってると、映像向けの声の張り方が分からないので、両方できることの学びは多かったですね。あとは起承転結のストーリーを4人で分けてやるエチュード(即興劇)もやっていました。
『起』の担当者は先生がストップをかけるまで演技をして、そこから次の『承』の担当者がまた演技をして……という感じなんですが、さらに『起』はセリフ禁止、『承』は表情禁止とか、色々制限があったりして。そういうことを毎日できるのがすごく楽しかったです!

── すっごく難しそう! と感じましたが、中川さんは楽しかったんですね。その他にも、カシマアクターズに行って良かった、ということはありますか?

中川さん「カシマアクターズでは、役者である前に人としての部分も育ててくれているので、連絡がちょっと遅れただけでも怒られていたんです。でも、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)などは社会に出て絶対に必要なスキルだし、それが身についたってことで、社会に出る不安は以前より圧倒的に少なくなりました

── 確かに社会人だとホウレンソウはすごく大事ですね。そんな教育も影響してか、在学中にすでにデビューされたと聞きました。

中川さん「はい。『時代組婆沙羅』という、殺陣やアクションのレベルが高い劇団とマネジメント契約をしています。僕が高校ではじめて見た演劇が、アクションがあるものだったんです。アクションの魅力から演劇に惹かれた部分もあったので、まさにやりたいことができる劇団と契約できて嬉しいですね!」

役者をやりながら大学進学をしたのはなぜ?

── 役者活動と同時に、大学にも進学するそうですね。

中川さん「はい。上京したての頃は大学進学を諦めてたんですけど、カシマアクターズの三田先生と話していく中で、大学を出ておくのは武器にもなるし、ある意味保険にもなるからってことで、AO入試で大学に入ることにしました。
興味があることじゃないと行かなくなっちゃいそうだからと、人間についてもっと知れそうな心理学部を選んだので、がんばって両立していきたいと思います」

── では最後に、夢があるけれどそこに向かって動き出せずに悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。

中川さん「将来、どうなりたいかを語るのは誰でもできるけれど、今、そのために行動できている人ってすごく少ないですよね。僕もまだ夢の途中ですが、夢を叶えたいんだったら、語るだけじゃなくて小さなことでも何かそこにつながる一歩を踏み出さないと、何もしなかったら結局何も始まらないと思います。
逆に行動できていない人は、夢を語るうちに理想が大きくなりすぎているのかも。上ばっかり見るんじゃなくて、足元にある、今できることを小さくてもいいからやってみる。小さなことだと思っても、積み重ねてくことで、大きなことをやろうって思えるようになるんじゃないかな」

編集後記

「夢を追う」というと、がむしゃらに頑張る、親の反対を押し切って突っ走る、などを想像するかもしれません。特に芸能の道となると、一握りの人しか成功できない世界というイメージから、周囲から反対を受けることも多いものです。

しかし中川さんは、夢を実現させるために、周りの人に相談し、反対されてもきちんと時間をかけ実績を作って、周りを説得できる忍耐強さがあったからこそ、夢に近づけたのだと感じました。

今回は「夢」をテーマにしましたが、進学先の選択なども同じことが言えるのではないでしょうか? 小さなことでもまずは始めることで、選択肢は広がっていくのかもしれませんね。

(文・きたざわあいこ/クリスク)

取材協力

この記事を書いたのは

株式会社クリスク  ライター
北海道出身。中学時代に約2年間いじめにあい不登校になりかける。上京してはじめて、学校以外の居場所や立場の違う人と接し、コミュニケーションについて考えるように。現在は自分の経験を活かし、子供の悩みや進学に関する悩みについての記事を執筆。